Feature Story ・ 巻頭特集
灯りをひとつ落とした、
夜のためのレストラン。
夜のためのレストラン。
扉を開けると、やわらかな照明と、ワインの香りが迎えてくれる。24席だけの小さなダイニングは、料理そのものよりも「その料理を囲む時間」を大切にしている。
素材は、その日いちばん良いものだけ。シェフは早朝から市場をまわり、季節の手ざわりを確かめてから厨房に立つ。だからメニューは、毎日少しずつ表情を変えていく。
「急がなくていい夜を、
一皿ずつ。」
一皿ごとに寄り添う一杯を、ソムリエが提案する。料理とワインの会話が、夜をゆっくりと深めていく。
シェフの一日
市場での仕入れから仕込み、サービスまで。慌ただしさを表に出さないために、厨房の準備は驚くほど静かに進んでいく。
ワインの選びかた
「料理を引き立てる脇役であること」。ソムリエがグラスを選ぶときに大切にしている、たった一つの基準だ。
取材の最後、シェフは言った。「特別な日のためだけの店にはしたくない。なんでもない夜が、少しだけ豊かになればいい」と。その言葉に、この店のすべてが詰まっている。


